岩殿山のキロク

ヤマノキロク

今回までの流れ

百名山踏破を目指すと決め、三種の神器ザック・雨具・登山靴)を揃えて準備完了!

と、このタイミングで、山梨の方でちょっとしたアルバイトのお誘いを受けた。

山梨…?山なし……、山ある!山梨には山がある!てことは、前日入りすれば山登りできるのでは⁉

装備を揃えて登山欲が高まりまくっていた僕はそう考えた。ただ、翌日の仕事がわりと偉い人に会ったり人前に出たりする内容だったから、あまりボロボロにはなれない。なんなら元気じゃないとマズい。

だから、登山欲をしっかり満たしつつ、そこまではキツくない。そんな山はないかなぁと探していて白羽の矢が立ったのが、そう、岩殿山である。

岩殿山とは?

これは、後述する僕の登山記録を見てもらえば大体掴んでもらえると思うが、忙しい人のために要点だけまとめておく

  • 標高634m
  • 大月駅から徒歩約30分バスなら約10分
  • 現在の登山口は、畑倉登山口浅利登山口だけ。強瀬登山口は「ふれあいの館」まで行ける。
  • ➀畑倉 ⇔ 岩殿山頂 ➁畑倉 → 岩殿山頂 → 天神山 → 稚児落とし → 浅利
  • ➀、➁が主流。大月駅スタート大月駅ゴールでも➀なら2時間弱➁なら3時間~4時間程度。
  • 見所は、山頂看板辺りからの富士山と大月市街地道中の岩場・鎖場稚児落としの断崖絶壁
  • 感想は、アップダウン激しめだが道の変化が多くて飽きない富士山綺麗。稚児落とし行くべき。

こんな感じ。ヤマップの記録も載せておくので、参考したい人はどうぞ。

天神山・岩殿山 https://yamap.com/activities/22253476 #YAMAP

スケジュール

予定
07:30 自宅出発
09:22大月駅到着
09:30バスでサンコート大月前へ
09:40浅利登山口 登山開始
13:00下山 畑倉登山口
13:30大月駅帰着
14:00都留市駅
15:00より道の湯 チェックイン
実際
07:35自宅出発
09:22大月駅到着
09:30徒歩でサンコート大月前へ
09:56浅利登山口 登山開始
10:21稚児落とし
10:45天神山
11:40岩殿山 八番山頂
12:42岩殿山頂 下山開始
13:07下山 畑倉登山口 
13:27強瀬登山口 通過
13:40大月駅帰着
14:17大月駅出発
14:33都留市駅
15:00より道の湯 チェックイン

出発~浅利登山口

8:00 京王線調布駅を出発
8:46 高尾駅で中央線に乗換 甲府方面

前日の夜は持っていきたい物が中々見つからず2時くらいまで起きてたので、寝不足気味ではあったのだけど、新しく揃えた三種の神器を装備した瞬間、テンションMAX。良い天気なのもあって、朝から少しハイになってた。

大月市観光案内所 9:00~17:00
通称「桃太郎ローソン」(地元民がそう呼んでた)

予定通り9:22大月駅に到着。30分出発の西奥山行きバスに乗るのだが、予想外の事案発生。

駅前にコンビニがない!ガスボンベを調達したかったので、徒歩2分の場所にあるローソンへダッシュ。

GoogleMapで調べた情報では、9:30のバスを逃すと次に来るのは、なんと13:40。逃すわけにはいかない。という事で息を切らしながら戻ってきて、バス停に戻ったのが28分。なんとか間に合った。

でも、おかしい…。バスがいない。30分になっても来ない。始発駅なので遅れてるとも考えづらい。

それでバス停の時刻表を見てみたら、9:30に注釈が付いてた。

*月・水・金のみの運転となります

やっちまった…

GoogleMap便利だから頼り切ってたけど、ローカルに行く時はちゃんとローカル情報源を頼るべきだったなぁと反省。

でも、マウンテンクルーザー600でたくさん歩けるし、まあ良いか、くらいで意に介せずスタート。買ったばかりの靴を履いてるとメンタルが無敵。

桂川 ここを超えると景色が山っぽくなる
中央道高架下 

景色は綺麗なんだけど、車が次々と走ってくる。乗せてほしいなぁとか思いつつ歩く。

朽ちた橋 昔はここから登山道に入れたのかも
登山道前の駐車場 奥にもう一つある

2月の午前中だけど、日差しが強いこともあって歩くと結構暑かった。薄い化学繊維の長袖1枚で十分。せっかくのフリースはザックに封印。

浅利登山口 

クマ出没注意の看板を見て、わくわく感が募る。冬だから遭遇する可能性は低いけれど、「ここから先は自然界です。命の保証はありません。」って言われているようで冒険心がくすぐられる。

ホームからアウェイに攻め込む時の高揚感と言えば良いのだろうか。これが結構好きかもしれない。

浅利登山口~稚児落とし

左ではなく、右
左を登らず、右に下る

浅利登山口すぐの所で、一瞬戸惑った分岐。落ち着いて先を見渡したら分かった。

岩殿山から来た人は、方角的に左行きそうだけど、右が浅利口

標識が「稚児落とし」だったり、「岩殿山」だったりする。両方に大月駅があったりと、岩殿山方面から来た人は分かりづらいかもしれない。気を付けて。

ここから傾斜が急になって本格的な登山開始。

急登 ロープ場 落ち葉が滑る
鎖場 楽しい

初っ端から急登に次ぐ急登。ばてないように意識してゆっくり登った。

鎖やロープをうまく使えば、見た目ほどキツくない。

横向きに生えてる木 風で地盤ごと捲れたのか?
稚児落とし到着!

稚児落としには、30分足らずで着いた。

迫力満点!
稚児落としからの景色 右奥にうっすら富士山 

圧巻。600m足らずの標高でこの景色が見れるのは凄いのではなかろうか。

登った山が少ないから断言できないけど…。

そういうの抜きにしても、シンプルに凄い。

よくある構図 MC600の青色は映えるなぁ
振り返って撮った稚児落とし

崖の近くに行くと流石に怖かった。

けど、↓の写真みたいに迂回するための林間ルートもあるし、道は十分広いから高所が怖い人でも心配は要らないと思う。

写真で見るより実際に見る方が怖くないから、この景色たちを自分の目で見てみたいと思ったのなら、行く価値はある。

看板が怖い 稚児落とし→岩殿山コースの方が怖がらずに済むかも

稚児落とし~天神山

すぐ。アップダウンもあんまりない道を10分くらい歩けば着く。

祠?
祠の前の少し開けた場所 カリマーのザックいいなぁ

ここで5分くらい景色眺めながら休憩。

そういえば、ここまでの休憩は、水飲んだりチョコ食べたり服を着脱したりする間だけ座るみたいに、こまめな休憩を4、5回くらい。

ついに富士山見えた!

この景色見たら疲れが吹き飛んだ。頂上への期待が更に膨らむ。

看板の所はパッとしない 

天神山~岩殿山

この道程が一番キツイ。

標高で言うと、天神山(589m)から470m地点まで一回降りて、また岩殿山頂(634m)まで登る。

時間で言うと1時間強くらい。

ロープ使えば難しくはない 
振り返って撮った 急な下りが多い

この降りで登山靴のありがたみを実感した。

ランニングシューズなら滑りそうな足場でも、登山靴だとグリップ力が全然違うから安心。

登りはスニーカーとかでも大丈夫だけど、この辺りの降りは登山靴の必要性を感じた。

噂のトラバース(斜面を横切るように移動すること)

崩落のため進入禁止とのこと。これを期待していたから残念ではあるけど、ほっとしてる自分がいる。

崩落したっていう事は、実際に危険な場所だったって事だし…。

道中は、所々で良い景色が見える

そんなこんなで、歩き続ける。

一つ気付いたのは、稜線を歩いていると風の音が結構うるさいんだけど、ほんの一歩林間に入ると、ピタッ…と急に無音になること。

街側の音が鳴り続けてる空間と、自分の立てる音しか聞こえない静寂な空間が、はっきり稜線で区別されている。

線を引いたみたいにはっきり境界が分かって面白かった。

こういうのも登山してこそ味わえる良い発見かもしれない。

石段登り 階段の方が疲れる気がする
奥に良さげな岩が…!馬鹿と煙はなんとやら
上の写真の奥に見える岩の先っぽ INAREMの
レインウェアもしっかり防風でグッジョブ!

個人的には、この岩の先っぽで見た景色が一番良かった。先っぽまで行かなくても、枝が開ける所まで行ってみて欲しい。

すごく綺麗に富士山が見えるし、視界が開けてて感動した

畑倉登山口から登って岩殿山頂で折り返す人も多いみたいだけど、ほんの少し足を伸ばすだけで見れるのに MOTTAINAI!

ここに来て初の「浅利登山口」標識
見るからに山頂っぽい。

という事で、山頂!

正確にはもう少し先らしい
こっちが本当の山頂(634m) 地味

山頂からの景色は、楽しみにとっておきたい人もいるだろうから、最後に載せる。

人が誰もいなかったから、絶景を独り占めしながら昼ご飯を食べた。これも後で載せるけれど、お湯を沸かして暖かい食べ物を食べて、食後の紅茶も嗜んだ。

標高634mの低山と言っても、2月なので流石に寒かったけれど、ワークマンで買った1900円のフリース4900円のレインウェアを着たらばっちり暖かかった。

の安さでこの品質は凄い。ワークマン信者になりそう。

岩殿山頂~畑倉登山口

降りは早かった。時間にしてたったの15分。

まだまだ体力はあったので、小走りといっても差し支えないくらいの早さで、リズミカルに降りてたら、いつの間にか着いてた。

流石に2月。小川が凍ってた。

「パキパキ」と変な音が鳴ってたから注視してみると、氷の下を水が流れてた。

表面は氷で覆われているから白いけれど、中で水が流れてる部分だけ色が濃くなっていて、水の流れるルートがうにょうにょ変わるから、氷が蠢いてるような奇妙な感じだった。

僕にとっては初めて見る光景で、凄く不思議で面白くて、しばらく眺めてた。

鬼の岩屋
登山者カウンター 295人目
畑倉登山口 浅利側とは違って分かりやすい登山口

きつい登山の帰り道はしんどいイメージがあるけれど、今回の岩殿山は程よい疲れで、清々しい気持ち。

岩殿山周辺案内板
帰り道も富士山 「世界一富士山がきれいに見える町」なだけある
桂川 
じゃあな岩殿山

という事で、駅前到着。

観光案内所!
野菜も売ってる

電車を待つ間、お土産でも買おうと立ち寄ってみた。

記念スタンプとかもある。

さらには…

ヤマノススメ ポストカード

なんか貰った。岩殿山に登った人は、山頂の写真を見せると貰えるとのこと。

ヤマノススメはかなり昔にアニメを見たことはあったんだけど、岩殿山に登ったエピソードは知らないし、そういうキャンペーンをやってるなんて寝耳に水だった。

良い山だったし、岩殿山だけならゆっくりでも往復2時間くらいで登れるから、ヤマノススメ好きなら登って損はないと思う。ぜひ登って欲しい。

本格的に登山を始めようと考えてから初めての山で偶然キャンペーンをやっていた巡り合わせとか、記念という特別感とか、純粋にポストカードが良かったとか、岩殿山を登ったばかりで興奮が残っていたのもあって、なんかもう、ぐっと来てしまった。

より道の湯

こうして帰ってきた輩は、翌日の仕事に備えて、都留市駅にある泊まれる温泉より道の湯」でゆっくり体を癒しましたとさ。

さて、ここで幕を閉じたいのだけれど、翌日、昼過ぎに仕事を終えてから、岩殿山のふれあいの館に行ってきたので、それも追記する。

ちなみに、全国旅行支援で20%割引と2000円分の商品ポイントも貰えたし、温泉も宿泊施設も綺麗で落ち着いてて凄く良かった。

より道の湯(都留市駅)

ふれあいの館(ヤマノススメ・写真展示)

宿で一日を振り返っていたら、ふれあいの館を素通りしていたころに気が付いた。

帰り道に逆側の歩道を歩いていて、しかも富士山に気を取られていたからだ。

ということで、次の日行ってきた。少し面倒だったが、GoogleMapで調べたら駅から12分だったので全然問題ない。

…はずだった。

駅から12分で、強瀬登山口に着いた。そこから更に10分登ってふれあいの館だ。

ここまで来たら行くしかない。けれど、この10分が結構きつかった。前日の疲れもあるし、坂が物凄く急だった。おかげで汗だくになりながら到着。

入場は無料。

入って真っ先に目がつく所 ここもヤマノススメ
ポストカードと同じ絵が…!漫画で岩殿山に登ったらしい
白旗史郎写真館
 ※全体像はOKだけど、特定の写真を撮るのは✕
秀麗富士十二景 写真コンテスト入選作品
 ※左に同じ

ヤマノススメの展示の写真を取っていたら、「好きなんですか?」と聞かれたので「好きです。」と答えると、聖地巡礼スポットが記載してある地図を貰った。

昨日のポストカードで魅かれていた所で、言葉で既成事実を作ってくるとは…。

堕ちた。ノートにも記入してきました。

館内のB1と2Fには、写真展もあって、それが凄かった。

写真を写真に撮りたくなったのは初めてかもしれない。

コンテストの最優秀作品の富士山は写真なのに、ため息が出るくらい綺麗だったし、思わず時間も忘れて魅入ってしまった。

他の写真たちも素晴らしくて、帰らなくて良かった、わざわざでも来てよかったと心から思った。

感想

今回は、新装備の慣らしが第一の目的で、大月駅近くで仕事があったから周辺で山を探した結果、「富士山が綺麗に見える」という売り文句に釣られて岩殿山に決めた。

正直、登れればどの山でも良かったし、景色もそこまで期待はしていなかった。

だけど、実際に登ってみたら富士山の綺麗さは想像以上だった。秀麗富士十二景と言われるのも納得の気持ちのいい景色が見れた。

しかし、それだけじゃない。

稚児落としのスリリングな断崖絶壁。そこから眺める景色。

鎖場や急坂、岩場を登ったり降りたりするアトラクション的な面白さ。

近い高さで高尾山が思い浮かぶが、そういった観光地的な雰囲気とは異なった、より自然と距離が近い登山が楽しめた。

駅に近くて手軽な低山なのに本格的な登山の雰囲気を味わえる。しかも景色が綺麗。

恐らくだけど、こんな山は全国でも少ないんじゃないかと思う。

本格的な登山の世界に触れたいと思っている僕にとって、凄く楽しくて有意義な登山経験になったと思うし、スタートを切ったのが岩殿山で良かった。

もっともっと山の世界に飛び込んでみたい。そう思わせてくれる魅力的な山だった。

最後に

ここまで付き合ってくれた人、本当にありがとうございます。

誰に読んでもらうとも考えていない駄文だけど、読んでもらえると凄く嬉しい。

また山登って書くので、暇つぶしとかで良いので、また読んでください。

写真(山頂など)

山頂の看板の前
山頂で食べた昼ご飯 
富士山
道中綺麗だった景色
ふれあいの館 展望台からの景色 
霞む富士山 道が開けてるみたいに感じる

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